豪雨の被災地・人吉で、若者を集めて賑わいを取り戻そうというイベントの中心となったのは、なんとレトロな石造りの蔵?でした。

「いいっすね!超かっこよくない?やばいっすね!」
「これ買いました!一目惚れです!」

買い物を楽しむ若者たち。

服が所狭しと並ぶのはショッピングモール、ではなく…大きなブロックで囲まれた石蔵(いしくら)。大正初期に建てられた国の有形文化財です。

かつては味噌の醸造蔵として使われていた場所をイベントなど人が集まり交流する場として活用しています。しかし、3年前ここも豪雨で被災しました。

石蔵管理者 上田賢一さん(66)「ちょうど窓の並びぐらいの所まで水が来ていました。床一面に約20センチ弱くらいの土砂が一面に入り込んでいました」

被害を受けたものの石蔵が倒壊することはなかったため、管理する上田さんは蔵を残して活用する道を選びました。

上田さん「古い建物が一番被害を受けて、どんどん解体されていくんですね。そういう中で、こういう古い建物は自分自身も残すべきじゃないだろうかと」

上田さんは人吉を元気にするために若者を集めたいと考え、古着のイベントを企画。その思いに協力したのは県内各地で販売会を開く古着店の人たちでした。

BROOKS Vintage 亀崎修一代表(41)「県南の皆様を元気にしたいなていう思いがありまして、若い方がすごく来ていただいてるなという印象でして、自分もびっくりしてます」

Drive-in AJISATO 瀬河克俊店長(41)「色んな各地から集まって、そこから色んな人吉のいい所を知ってもらえればいいなと思います」

お客さんは県内外から。

鹿児島から来た客「人いっぱいいるなと思いました」
地元の高校生「インスタで見て、滅多にこういうことないのでちょっと行ってみようかなと」
熊本市内から来た客「地元を久々に観光しようと久しぶりに思ったら、あれ、どこ?と思って寄ってみました」

災害を乗り越えた石蔵が、新たな賑わいの場として復興を後押しします。

上田さん「街がこうやって若い人達で賑わっている。こういうことがたくさん開いていけるようになると交流人口が増えて、人吉もまた以前のような活気が蘇ってくるんじゃないか」