2年後に迫ってきた「大阪・関西万博」、日本での開催は20年ぶりです。

この万博の歴史をたどると、150年前のウィーン万博に熊本の「あるもの」が出品されていました。

1970年に開かれた大阪万博。当時の最先端の科学技術が各国から披露され、会場は連日の大行列。多くの人が訪れました。

そして、2025年には大阪で再び万博が開催されます。

この万国博覧会。日本が初めて正式に参加したのが、西南戦争が起きる4年前、1873年のウィーン万博です。

このとき、会場には日本庭園や神社が造られ、名古屋城の鯱(しゃちほこ)や佐賀の有田焼などが展示される中、熊本から出品されたものもありました。

その記録を調査した専門家は…

佐賀県立図書館 阿部大地学芸員「熊本からウィーン万博に出品されたものは、阿蘇山で産出された硫黄です」

「人が作った製造物だけでなく(天然の)産物も含めて、あらゆるものを集めてきたのが、そのときの万博の特徴です」

残念ながら、当時のものはもう残っていませんでしたが、熊本博物館で「阿蘇の硫黄」を見せてもらいました。

熊本博物館 南部靖幸学芸員「こちらの中に入っています」「これが阿蘇の硫黄ですね」

中岳の火口付近で採取された硫黄です。

熊本博物館 南部靖幸 学芸員「こんな感じで自然に火口のあたりに露出していたものを採ってきたのではないか」

「火山国日本ならではの特産物ということで展示されていたのかもしれない」

150年前、遠く離れたウィーンで展示された硫黄。

阿蘇が世界に知られるきっかけになったのかもしれません。