実際に、石田さんが動画を撮影した辺りに向かった所、そこにはカモに食べられたブロッコリーの無残な姿が。
稲葉さん「めっちゃ食ってるじゃん」
石田さん「ひどくなっていますね。もうないです、そこ」

石田さん「元々これはこの大きさなんです」
本来は茎が見えないほど葉が茂っているはずのブロッコリーは固い茎だけになっていました。

さらに、畑の周りには…
石田さん「これ全部カモのフンです。全部ブロッコリーです」
稲葉さん「ブロッコリー食っているって感じがする」
石田さん「これを見ると悲しい」

急拡大するカモの被害。はっきりとした原因はわかっていませんが、考えられる理由の1つが、栽培される農作物の変化だといいます。
野田 課長補佐「2019年、露地野菜が1000haを超えた。5~6年前はまだ600haほど。相当増えてきている」(※1000haは東京ドーム約210個分)
露地野菜とは、ハウスなどを使わない露天の畑で栽培する野菜のこと。

カモは、元々 収穫が終わった後の稲を食べていたため、農家の被害にはなりませんでした。しかし、露地野菜が増えたことでカモの食生活に変化が。
石田さん「野菜がおいしいというのをカモが覚えてしまったのかもしれない」
この被害を食い止めるため、2021年3月、県や八代市などが対策協議会を立ち上げ、稲葉さんもこれに協力することに。
畑の上に何本もの糸を張りめぐらせ、空からの侵入を防ぐ仕掛けや、動くものに反応して光を出すレーザーライトを導入するなど、様々な取り組みがなされています。

一方、イノシシでは有効だった駆除や捕獲で数を減らすことは、解決には繋がらないといいます。
稲葉さん「カモは頭数がすごく多いので、何万羽と来ている所を100羽つかまえた所で全然影響はない。なので、追い払いと食べさせないようにするぐらいしかないのかな」
有効な対策が確立されていないカモ被害。農業を守るため、農家ハンターの挑戦は続きます。