熊本県芦北町の山間部に野積みされた土のうから汚水が流れ出ていた問題で、水俣市の市民団体が「土のうの内容物から環境基準値を大幅に超える値を確認した」とする独自の調査結果を発表しました。

この問題は、吉永和世県議会議員が会長を務める廃棄物処理会社「吉永商会」が、芦北町の山間部にある敷地に土のうを野積みし、その一部から汚水の流出が確認されたものです。
水俣市の市民団体「新生みなまた」が今日27日に記者会見を開き、町道に流れ出ていた内容物を専門機関で分析した結果、環境省が示す基準値を大幅に超える4種類の有害物質が検出されたと発表しました。
市民団体 新生みなまた 谷口明弘代表「水俣芦北地域で企業の遵法意識の欠如により再び重金属類による環境汚染が起きている可能性があると我々は強く危惧している」

4種類のうち基準値を超えていたのは「ヒ素」や「フッ素」などで、「ヒ素」は基準値の7.5倍、「フッ素」は2.5倍だったとして、「健康被害が懸念されるレベルの重大事案である」と指摘しました。

一方、熊本県は11月13日に「たい肥として基準を満たしていて、廃棄物には該当しない」との調査結果を発表しています。
市民団体側は「県は重金属の検査を行っておらず、行政判断として適切でない」として、検査の再実施などを求める他、九州農政局や環境省にも見解と対応を求めるとしています。









