初めて出会った「正しい日本語」

先輩や上司の仕事から「水準の高さを感じた」という。

それは、声の質、声量、肺活量、情景描写の力であり「正しい日本語」への高い意識。

約2週間、集中的な指導を受ける中で、彼女の手元は赤字のメモでいっぱいになっていった。

・090→ぜろきゅうぜろ✕→れいきゅうれい〇
※ゼロ(ZERO)は英語、れい(零)が日本語なので、9を「きゅう」と言うなら「れいきゅうれい」となる
・燃えるごみ✕→燃やすごみ〇
※燃えるかどうかは、処理施設の火力に左右されるだけでなく、リサイクル(分別)の観点からも「燃えるけど燃やさないごみ」があるため、一般的には「燃やす」が適当
・すいません✕→すみません〇
※漢字にすると「済みません」。「mima」と発音する際、「ま行」が続くため唇をして連続して開閉しなければならず、日常会話では「ima」に変化した(崩れた)と考えられている
などなど

他にも

・「すごい」と「すごく」の使い分け
・ら抜き言葉
・文語体(書き言葉)から口語体(話し言葉)への変換
などなど

渡辺が遠慮がちに話した。

「アナウンサーの仕事は責任が重い。アナウンサーが伝えるひとつひとつの言葉に責任が宿る。想像していた以上だった」