伝えるニュースを自ら選び、自ら伝える
放送開始1時間前、どのニュースを伝えるか、アナウンサー自身が選定する。
世界情勢、国内情勢、熊本での出来事、朝からどんなニュースを伝えているか、すべてを把握し「この時間に伝えるべき2分58秒は何か?」を見極める。

1本目 名古屋市での主婦殺害事件の続報
2本目 ASEAN拡大国防相会議
3本目 中国が有人宇宙船の打ち上げ成功
この3本に決めた。
ここからいわゆる「下読み」だ。

固有名詞の読み方やスムーズに読むためのポイントを、原稿1本1本、1枚1枚、1行1行に書き込む。
そして、声に出して読んでみる。

ASEANのニュースを声に出していると「『日本』の読み方は『にほん』と『にっぽん』で使い分けている。国外から見た『日本』の場合は『にっぽん』と読んでいる」福居からはそんなアドバイスも受けた。
先輩アナウンサーの丸山丈瑠がアナウンス部に立ち寄った。彼はこの日、高校駅伝で初めてのスポーツ実況(中継所担当)に臨んでいた。
丸山の初鳴きは半年前。
「初鳴きって緊張しますよね、スタジオの外からみなさんの視線を痛いほど感じていた」
渡辺の緊張が増すような体験談だった。









