夜な夜な『石けんと換えてください』
基地では、中学校を卒業したばかりの予科練生が、航空機の整備や組み立てなど厳しい訓練を受けていました。

平山さん「15、16歳ですよね。みんなまだ若い可愛い人たちでした。ちょっと誰かがミスをするとな、竹縄だけ切ってな、『バシンバシン』ってずっと、家まで聞こえるように叩かれた。もうかわいそうでな」
また、基地での生活がいかに過酷だったかを物語る出来事もありました。
平山さん「夜になると、うちの田んぼのあぜ道を石けん1つを持ってな。『おばさん、なんか食べ物はないですか。石けんと換えてください』って、次々、代わる代わる来るんですね」
平山さん「兵隊さんも食べ物がなかった。もうあれでは戦争には勝ちませんな。子ども心にそう思いました」