熊本県山鹿市にある創業52年の「丸山ステンレス工業」は、半導体製造装置などに使われる、精密なステンレス部品などを作っています。

その技術を生かして、7年前から取り組んでいるのが、自社ブランド『STEN FLAME(ステンフレーム)』商品の開発です。デザインの美しさが特徴的で、ステンレス製の焚き火台など、アウトドアに重点を置いた、多彩な商品を生み出しています。

近年のキャンプブームを追い風に、今や、全国から注文が入るというオリジナル商品です。しかし、なぜ、自社商品の開発を始めたのでしょうか?

丸山ステンレス工業 丸山良博社長「ものづくりの会社なので何かしらの商品は作れる。ただ、自分たちが普段やっている仕事は一般の人には伝えにくい。一般向けのものづくりができたら、会社を知ってもらうきっかけになると思って」

自社開発商品の一つにピザ窯にもなる「大型の焚き火台」があります。ユーザーの声をもとに開発を進めた商品です。

また、持ち運びに便利な、組み立て式の「ミニ焚き火台」も開発し、誰でも簡単に組み立てられる設計にしました。

丸山社長「自社商品開発を始めたのは2018年で、その2年前に熊本地震があったタイミングもあり、開発した商品が防災グッズの役割も果たしてくれたらありがたいと思っていた」

ステンレスの可能性を追求してきた、独自のモノづくり。そして、去年(2024年)開発した商品が「STEN FLAME・TREE(ツリー)」です。なんと、1本ずつバナナを吊るして保存できるという、珍しい「バナナスタンド」です。

開発のきっかけになったのが、地元で長年愛されてきた「かきやま果実店」との出会いでした。