小学校の校庭で、100年以上も子ども達の成長と旅立ちを見守ってきた2本のソメイヨシノの古木。今年も満開の花咲かせました。
児童「桜、満開だ!」「すげえ!」
3月28日、熊本市西区河内町の芳野小学校。満開の「よしの百年桜」を見た子ども達の歓声が、校庭に響きます。
その桜を、西釜勝久校長が見つめていました。

芳野小学校 西釜勝久校長「大正10年に合併して今の学校になった時から、実はずっと生き延びています。2025年で104年目になるということですね」
赴任して5年、西釜校長はこの「百年桜」と共に、子ども達を見守り続けてきました。そしてきょう、校長自身が芳野小学校を退任します。
西釜校長「いつも窓から身を乗り出すとか、直接見に行くとかしていますね」
時を少しさかのぼり、3月21日。この日は卒業式でした。「百年桜」の花は毎年、卒業式に彩りを添えてきましたが…。

西釜校長「まだ咲いてませんね、なかなか今年は…。卒業生が一緒に当日の写真におさまらないのは残念。それでも『百年桜』は、子ども達を見送ってくれますからね」
大きくつぼみを膨らませた『百年桜』に見送られ、卒業生14人が学び舎を巣立ちました。
そして…卒業式から一週間後の28日。満開となった桜の下で、西釜校長も芳野小学校を退任しました。
西釜校長「この5年間、『百年桜』と共に過ごせて、とても感謝したい気持ちでいます。できれば110年、120年と、ずっと栄えてほしい」

火災から生き残った2本のキセキ
芳野小学校が創立したのは1921年。当時は数十本のソメイヨシノがありましたが、1939年の校舎の火事の影響でほとんどが枯れてしまいました。
残った2本が今でも毎年花を咲かせているのは、子どもや地域の人たちが世話をしている賜物。百年桜もまた、多くの人に見守られているのです。
これまで芳野小学校から旅立った卒業生は3156人。たくさんの子ども達と同じ時を過ごした「百年桜」は、これからも新たな花を咲かせます。
