
中でもこの真っ白な水風呂が大人気です。

建設業 石渕 公康さん
「なぜこの石がここにあるのかといきさつを説明すると、神様の石だみたいにものすごく喜んで入られます」

この「つめた~い」水風呂には「あたたかい」エピソードが隠されいるんです。
きっかけは2016年の熊本地震でした。
御船町(みふねまち)水越(みずこし)。熊本地震の揺れで高さ4メートルほどの巨大な岩が
里山の私道に転がり落ちてきました。行政の支援もなく、住民たちはこの先にある畑に入ることが出来ず頭をかかえる日々が続きました。

岩本 増喜さん
「取り除いてもらわんと栗山に行けません」

何とかしなければ!住民たちは地域の守り神の名にちなんでこの岩を「風神石(かざかみいし)」と命名。そしてなんと、その石をインターネットオークションに出品したのです!

神様とネットの力を借りて救世主を待ちます。
「落札されました」

価格は2400円。落札者は、山鹿市で造園業を営む古閑さんと、義理の弟で建設業を営む石渕さんです。
造園業 古閑 勇誠さん
「でっかい石がテレビに出てきて、一瞬で気づいたんですよね、困っている人がいると。すぐパソコン立ち上げてクリック!クリック!しっぱなしです」

熊本地震で困っている人たちのためにと、撤去に名乗り出た2人。ダイナマイトを使って爆破します。

「2…1…点火!」

岩本 増喜さん
「やった!これで安心しました」

あれから5年、現地を尋ねました。
「ここですねー、ここら付近」

栗の収穫ができず困っていた岩本さんもあの時のことを感謝しています。
岩本 増喜さん
「やっと通れるようになったなと思って、それから数回栗拾いに行った」
あの風神石は、2022年に菊池市で露天風呂に変身したと石渕さんから連絡がありました。
水越地区の人たち
「懐かしい」
「石渕さんだ!」

この日、石渕さんからのビデオメッセージを番組スタッフが預かってきました。
石渕 公康さん
「あの岩がみなさんを喜ばせられるすごくいい水風呂になりました」

水越地区の人たち
「きれいですね」
「色がきれいだ」
岩本 多喜子さん
「石渕さんと会ったような気持ちになりました」
岩本 増喜さん
「岩の撤去には相当お金がかかったでしょうね。だいぶ損しなはった(損をされた)でしょう…」
山下 陽子さん
「すごいですねよね、思いやりがいっぱいで。いつか行きましょうかね」
そして1週間後…
山下 陽子さん
「元気なうちにこうやって菊池市まで来られて、露天風呂とサウナを見られますよ」
なんと、水風呂を見学させてもらえることになったのです。
岩本 多喜子さん
「こぎゃん機会はなかけんね」
岩本 増喜さん
「楽しみにしております」
御船の山奥からの来客。古閑さんは5年ぶりの再会です。

さっそく、風神石の水風呂を見学。

岩本 増喜さん
「きれいですよ、本当。ビックリしました。あんな大きな石がこんなにですね立派になるとは」
古閑 勇誠さん
「あそこに落っこちた岩がよみがえりましたよ、岩本さん」
6年前、大きな岩に悩まされた住民。そして、それを助けたいと動いた2人。迷惑がられた風神石は人と人とを繋ぎました。
岩本 増喜さん
「縁繋ぎ。この石がなかったら、石渕さん古閑さんに会えんかったです」

石渕さん・古閑さん
「こうやってご縁が頂けたのでですね、繋がりも一生繋がっていくでしょうから」
