熊本市出身でミニチュア写真家として活躍する田中達也(たなか たつや)さんの絵本が「絵本屋さん大賞」で入賞し、東京で授賞式が行われました。

これは絵本月刊誌の「MOE」が全国の絵本専門店や書店の児童書売り場の担当者など約3000人にアンケートを行いその年に勧めたい絵本を選ぶものです。

大賞はベストセラー絵本『大ピンチずかん』の第2弾。そして8位には田中達也(たなか たつや)さんの4冊目の絵本『おすしが あるひ たびにでた』が入りました。

マグロのおすしが山へ、海へ、砂漠へ、旅に出る大冒険を描いた物語。最後に出てくる場面は、熊本の「ある場所」をイメージしたそうです。

ミニチュア写真家 田中達也さん(44)「すしの実家のモデルは熊本のばあちゃんの家の間取りとかを参考にしています」

田中さん「ダジャレも多く昔の映画のパロディも入っているので、子どもだけでなく、年配の人でも楽しめるかなと」

田中さんが絵本作りに挑戦したのは、「作品を形に残したい」との思いでした。

田中さん「漫画や小説はもしかしたらデジタルになるかもしれないが、絵本は本という形でずっと残ると思っている」

一方、気になるのが近年叫ばれる「本離れ」。しかし絵本の売れ行きは好調だといいます。

金龍堂まるぶん店 越智隆文さん「お父さんやお母さんと一緒にめくりながら本を読むので、電子版よりも紙の本が手に取ってもらえる」

ここ数年で絵本のトレンドに変化はあるのでしょうか?

越智さん「ストーリーの中にイラストや言葉でインパクトがあるものが増えている。面白くて笑えるようなイラストになっている」

さらに最近は、田中さんのほかにもお笑い芸人やBリーグの選手など、絵本作家以外の作品も増えています。

田中さんも、絵本の可能性に期待しています。

田中さん「世代を超えてずっと読まれることが一番の魅力。いま作った本も、50年後も100年後もずっと読まれるといいなと思っています」

ミニチュア写真家 田中達也さん(44)