再起の時を待つ「19.2ヘクタールの自然」

記者「現在、熊本県が公募をおこなっている高森町の『阿蘇ソフトの村』です。あたりは豊かな自然に囲まれています」

『阿蘇ソフトの村』は、バブル期の1987年度に、ソフトウェアの研究や開発をする企業を誘致するという計画でした。県が19.2ヘクタールの用地を確保しましたが、バブルは崩壊。約4億8000万円を投じましたが企業の進出はなく、30年以上活用されていませんでした。

こうした現状を打開しようと、県は今年4月から公募を始めました。

熊本県産業支援課 辻井翔太 課長「TSMCの熊本進出を契機として非常に熊本に注目が集まっている。こういった気運を捉えながら、今回土地の公募をさせていただいた」

19ヘクタールほどの土地を一括で譲渡する計画で、売り出し価格は約1250万円。土地の利用方法は、半導体関連に制限せず受け付けています。

活用されなかった土地をTSMC進出の波に乗って再び動かそうという狙いで、既に複数の問い合わせがきているといいます。

辻井課長「ペンションや休暇施設、ワーケーションの拠点、いずれにせよ地域の方々に受け入れていただけるような計画をお待ちしている」

今年4月、TSMCの国内2つ目の工場が菊陽町に建設されることが発表されました。熊本県の関係者は「第2工場の建設を受け、熊本進出を考えているTSMCの台湾のサプライヤーや取引先が数多くあると聞いている」と期待を寄せます。

自治体が整備を進める工業団地や、これまで活用されていなかった土地が受け皿となるか、そしてその動きが熊本県全体に広がるかが注目です。