県の対応は問題なかったということ?

田名網駿一アナウンサー「この問題を取材してきた市川記者です」

MC田中「今回この件は、なにが問題だとされたんですかね?」

田名網アナ:熊本県は当初、この旅行支援事業の助成要件について、「国の『GOTOトラベル』と同じ取り扱いにする」と市川さんしていましたよね?

市川記者「そうです。ただ一方で、どこまで同じ扱いにするのかについては、『県の裁量』としていました」

市川記者「それにも関わらず、その細かな要件は書面化されておらず、旅行業者への周知もできていなかったことが今回の第三者委員会の調査で明らかになりました」

糸永有希アナウンサー「ルールを誰も明確に理解していなかったということになるんですかね?そうすると、人によって認識に食い違いが生じそうですね」

市川記者「第三者委員会は、助成要件を十分に理解していなかった県の担当者が、TKUヒューマンの旅行商品を誤って『不適切』と判断したとして、そもそも不適切な受給ではなかったとしました」

MC田中「そうなると、不適切受給を見逃すよう指示した疑惑はどうなりますか?」

田名網アナ「見逃し指示があったと指摘されていたのは、県の幹部が上層部から言われたという『ミリミリそこまで詰めなんや』『もうよかろう』などといった発言でしたよね」

市川記者「それについては、当時はまだ、県の制度設計が煮詰まっていない段階だったということで、上層部としては、『コロナ禍で疲弊する観光業を一日でも早く助けるための事業なのに、助成の要件を厳密に詰める必要があるのか』という趣旨だったとしています」

市川記者「ただ、その言葉を聞いた担当者たちは、不適切な受給があったという前提で動いていたため、旅行業者の不正を見逃す指示だと受け取ったとしています」

MC田中「そもそも出どころは、国のお金、国民のお金ってことになりますから、もうちょっと慎重になったほうが良かったんじゃないかと思いますけどね」

糸永アナ「この時期を思いだすと混乱していたのは確かだったと思うんですけど、だからこそ丁寧な仕組み造りとか、伝達の仕方とかも大事になったのかなという風に思いますよね」

市川記者「第三者委員会は、『県庁内で正確性を欠く報告や伝達が行われたことが問題』と指摘しています」