7月25日時点で 6位と、J1への昇格を目指し熱い闘いを繰り広げているJ2ロアッソ熊本。その奮闘の裏にロアッソを愛する夫婦の支えがありました。
ロアッソ熊本のホームゲームのこの日、サポーターを前に自らが作詞作曲した応援歌を歌うのがシンガーソングライターの篙 太一(ふなざし たいち)さん(50)です。

太一さんは高校卒業後から東京を中心に活動していましたが、熊本出身ということもありロアッソ熊本のサポーターから応援歌の制作依頼も受けてきました。

そして 6年前、大きな転換となるきっかけがありました。熊本地震です。
シンガーソングライター 篙 太一さん
「がまだせロアッソのレコーディングをしている最中に熊本地震が来て、何かできることはないかと思った時に、音楽があると思って」

太一さんの拠点はまだ東京でしたが、ホームゲームの度に自費で東京と熊本を往復しサポーターたちを盛り上げてきました。
太一さん
「楽しい音楽とか楽しいトークでみんなによろこんでもらって、気分よくスタジアムに入ってサッカーを楽しんでもらうっていうような、恩返しのためにやろうかなと思って」
そして5年前に拠点を熊本に移しました。この思いはサポーターにも伝わっています。
サポーター
「楽しいのひとことだと思います」
「面白かった」
「なくてはならないもの、それに尽きると思います」

ロアッソのホームゲームに不可欠な存在となった太一さんですが、その活動を支える妻の弘巳(ひろみ)さんも 今、ロアッソ熊本を支える大きな柱となっています。

弘巳さん
「これはロアッソ熊本の選手たちのお弁当です」
スポーツフードスペシャリストの資格を持つ弘巳さんは、チームからの依頼を受け今シーズンから選手たち約30人が試合後に食べる食事を1人で提供しています。
弘巳さん
「5時間程度ですかね、仕込みから含めて。いつもお母さんみたいな気持ちで、ちゃんと美味しいもの食べてるかなとか思っているので」
弘巳さんは東京出身で、熊本での生活はまだ 5年。熊本県産の野菜などの栄養価や特徴を学びながら、選手たちの活躍を願いメニューを考えています。
弘巳さん
「きちんと栄養をとって、ますます頑張ってほしいという気持ちと、県外出身の選手たちにも 熊本のあれ美味しいなとか覚えておいてもらえたらいいなと思って作っています」
弘巳さんのこだわりは県産食材を使うこと。

この日のメニューは県産の野菜満載の「麻婆茄子炒め」思いを込めて作る手には自然と力が入ります。

弘巳さん
「きょうは勝つでしょう、きょうも。勝ってほしいです」
こうして出来上がった食事がこちら。

そして、弘巳さんがデザインしたヒロミキッチンのロゴがついたフタをかぶせたら完成です。

ロアッソ熊本 河原 創 主将
「リカバリーにもつながるのでとても感謝しています

ロアッソ熊本 菅田 真啓 選手
「忙しい中作ってくれているのでありがたいですし、プレーで恩返しできたらいいなと思うので これからも頑張っていきたいと思います」

ロアッソ熊本の試合が始まると、2人は熱狂的なサポーターに変わります。
太一さん・弘巳さんをはじめサポーターたちの声援に応え、ロアッソ熊本はこの日4か月ぶりにホームで勝利しました。
試合後、2人には新たな力がみなぎっていました。

太一さん 弘巳さん
「これからもロアッソを僕らなりに頑張って応援していきたいと思います」