◆生き方でマイノリティに勇気を与える
R&Bやヒップホップは、作品をリリースしたりライブ活動をやったりするという音楽活動という範疇を超えて、「生き方を見せていく」というところがとくにヒップホップ以降、顕著になっています。
ビヨンセは厳密にいえばヒップホップとはちょっと違う、R&Bやポップスの世界で活躍していますが、ヒップホップヒストリーに残る大成功者である夫と結婚しているわけで、ヒップホップの文脈で捉えても差し支えないでしょう。
まさにビヨンセは生き方を示しながら、女性(や黒人という)マイノリティと言われている存在にエンパワーメント(自信を与える)していくという存在です。
その生き方に対しての称賛が彼女のスターダム、現在のスターライフっていうことでもあるでしょうし、語弊があるかもしれませんが、ファンにとっては教祖としてのビヨンセ、生き神としてのビヨンセが動くところ見るために、ライブに足を運ぶという側面もあると思います。
R&Bがもともと宗教音楽であるゴスペルから始まっていることを考えると、日曜日に教会に行って、牧師の言葉に触れるという行為の発展的なバリエーションのひとつとしてJay-Zやビヨンセのライブがあると見ることもできます。
そう考えると、極めて現代的でありながら、アメリカにおける黒人文化、黒人音楽を体現しているのがビヨンセ夫妻なんだと思いますね。
◆黒人女性歌手史上最大の成功を収める
ダイアナ・ロスやアレサ・フランクリンといったクイーンと呼ばれるビッグアーティストには停滞期がありましたが、ビヨンセはスターになって久しく、しかも勢いが止まらないところが、先達を超えています。常に新作が注目されるという好循環を作り出した、初めての人と言えるかもしれませんね。
彼女以前の女性R&Bの大スター、ホイットニー・ヒューストンと比較すると、ビヨンセの人生の堅調ぶりはよくわかると思いますし、それだけセルフラブ、セルフケアに長けてるという存在です。







