中東産油国と日本を結ぶ「オイルロード」は往復2万5000キロ。巨大タンカーが、燃料の重油1リッターで進む距離はわずか7メートルだ。10回シリーズの8回目。(2013年8月30日~同年10月12日に同乗取材)
◆稀な「二重反転プロペラ」

日章丸には、世界に数あるタンカーの中でも稀な特徴がある。船のプロペラが二つあるのだ。「二重反転プロペラ」と呼ばれている。

佐々木・機関長「内側のプロペラと外側のプロペラが異なる方向に回転する」
◆重油1リッターで7メートル

プロペラを二つ使うことによって、推進力が増すほか燃費が向上するという。それでも、日章丸の燃費は、燃料の重油1リッター当たり7メートル。プロペラが1回転して進む距離だ。
日章丸は、1日に約670キロメートルを航行するので、使う重油は毎日100トンになる。
◆海水から“造水”設備

巨大な工場を思わせる機関室だ。船の心臓にあたるディーゼル・エンジンは、最大出力3万7000馬力。生じる熱エネルギーを、海水から飲み水をつくるシステムにも活用している。造水設備だ。

瀬戸口機関士「海水をヒーターに通して蒸発させ水滴にする。その水滴(蒸留水)に殺菌用の薬品とミネラル成分を入れて飲料水に」







