福岡市が約600億円をかけて進めた地下鉄七隈線の延伸から1か月。博多駅まで直通のアクセスの良さで乗車率が140%以上に上昇。ラッシュ時の本数はすでに限界まで増便されており、さらなる混雑が不安視されている。一方、大学の近くに住まなくとも通いやすくなったため、学生向けのアパートは空室が目立つようになった―。
◆これ以上増発できないため係員の増員で対応

先月27日に天神南駅から博多駅までの延伸区間が開業した福岡市地下鉄七隈線。市によると、七隈線の利用客は延伸前1週間の平均と比べて平日で53%増加、地下鉄全体の利用客は平日で4%増加したという。車両が小さい七隈線は、朝の通勤・通学時間帯に混雑が目立つようになった。博多方面に向かう別府から天神南の16区間で26日、乗車率が140%以上になった。

福岡市交通局博多管区駅・植村彰幸駅長「かなり混雑が目立つようになってきております。めいっぱい本数を走らせているので電車がないのです。係員を増やして対応しています」
◆通勤時間20分短縮の恩恵を受けた学生も

“混雑”と引き換えに市民が得た利便性は大きい。「すごく楽になりました」と話すのは福岡大学に通う峰健太さん。
峰健太さん「今まで天神南からの乗り換えで3回乗り換えていました。博多から学校までの区間でずっと乗ったままで着きます」

宇美町に住む峰さんはJRを乗り継いで、博多駅からは地下鉄で大学まで通っている。これまでは天神地下街を約600メートル、8分ほど歩いて空港線から七隈線に乗り換えていたが、その必要はなくなった。通学時間は20分ほど短くなったという。







