福岡市の大型商業施設で3年前、女性客(当時21)が中学生だった少年に殺害された事件で、犯行前に少年が入っていた少年院の不適切な対応にも原因があるとして女性の遺族が国に損害賠償を求める訴えを起こすことがわかりました。

◆少年は懲役10年以上が確定

この事件は2020年8月、福岡市中央区の大型商業施設で、当時中学生だった少年が女性客(当時21)を包丁で刺して殺害するなどしたものです。少年は去年7月、殺人などの罪で懲役10年以上15年以下の不定期刑判決が言い渡されその後、確定しています。

◆仮退院が適切だったかなどが焦点に

この事件をめぐり女性の遺族が、事件の2日前まで少年が入っていた少年院での不適切な対応があったなどとして国に約6170万円の損害賠償を求める訴えを起こすことがわかりました。代理人弁護士によりますと遺族側は「仮退院させる際に開くべき会議を開いていない」「受け入れる更生保護施設に少年の暴力性などの情報を共有していなかった」などと主張する方針です。また、遺族は少年と少年の母親にも同じく6170万円の損害賠償を求めて提訴する方針です。