全国的に有名ないちごの「あまおう」に並ぶブランドを目指し、新たな品種開発に奮闘する若手農家が福岡にいます。開発に費やした時間は6年間、試した苗の数は1万を超えています。
◆約6年かけて開発

鮮やかに光輝く赤いいちご。新しいブランドの「綾美姫」です。「あまおう」にも引けを取らない糖度10度を超える甘さと酸味との絶妙なバランス、そして強い香りが特徴です。世界でたった一人しか生産者がいない幻のいちごです。「綾美姫」を作り出した福岡県広川町の石川雄一さん、試行錯誤を繰り返し、約6年かけて開発に成功しました。
石川雄一さん「長い道のりですね。長かったような、早かったような、そんな感じです」
◆33歳で農家に転身決意
わが子のように、すくすくと育ってほしいという思いを込めて娘2人の名前をとって「綾美姫」と名付けました。もともと農業にゆかりはなかった石川さんですが、高校・大学ともに農業関係の学校に進学。卒業後は種苗メーカーに勤務し、いちごの新品種開発に没頭しました。しかし、会社で新品種を作ることは叶わず、33歳で農家への転身を決意します。会社を辞め、妻の美樹さんの故郷・広川町で新品種の開発を始めました。

石川雄一さん「ここは、あまおうの産地でもあるので、なかなかあまおう以外を作っている人も少ないので、覚悟はいりました」
◆周囲からの反対も…
あまおうの一大産地・広川町での新しいいちごの開発、さらに当時は次女の美怜ちゃんが生まれたばかりで周囲からは反対されたといいます。

妻の美樹さん「最初は反対した。生活していけるのかなっていう不安のほうが大きかった」
石川雄一さん「生活するためには、綾美姫はまだお金になるのかどうか不安で、ぶっちゃけあまおうでいいんじゃないっていうのはあったんですけど、でも自分の品種で勝負がしたかった」

娘の美怜ちゃん「(Q味はどうですか?)おいしい。(Qあまおうと綾美姫どっちが好き?)綾美姫!」