福岡にいると、地下鉄の行き先を間違えたり、東西の向きが分からなくなったり…。生まれ育った関東で暮らしていた頃は方向感覚には自信があったはずなのに、なぜ? そんなモヤモヤした気持ちを抱えていたRKB毎日放送の神戸金史解説委員、はたと“理由らしきもの”に思い当たったという。専門家に聞いた方向感覚の不思議さを交えながら、RKBラジオ『田畑竜介 Grooooow Up』で語った。

◆自信があったのに福岡では「方向オンチ!」

年末年始に実家の群馬県に戻り、1月3日に新幹線で博多駅に着きました。そこから地下鉄に乗り換えましたが、天神方面とは逆の、福岡空港行きに乗ってしまいました。こんな乗り間違い、実は初めてではありません。「またやっちゃった!」という感じです。

僕はずっと「自分は方向感覚がいい」と思っていました。例えば、デパートの中でエスカレーターに乗って上の階に進んでいっても「どちら側が北か」がいつも分かっていて、それを軸にして「こっちに行ったらこれがある」と判断できていたんです。

それなのに福岡では、地下鉄に飛び乗ると反対向きに乗ってしまうことが本当に多い。ある時、妻から「あなたは本当に方向感覚が悪いねー」と言われて、すごくショックを受けたんです。

ところが、ふと気づいたんです。「川が流れる向き、海の方向が、生まれ育った関東と福岡では正反対だ」と。

◆「私も同じです!」多くの声が

僕の中では、「川はどっちに流れている」「海はどっちにある」という感覚が常にあるんです。関東生まれだったので、川は東か南に流れていって、南に海がある。これに原因があるんじゃないか? と考えて、フェイスブックにこんな文章を投稿しました。

本当に不思議なんだけど、福岡では方向感覚を一度リセットしないと、東西を間違う。人一倍方向感覚はよいと自覚してきた(ビルやデパートの中でも、東西南北が分かっていた)のだけど、ある時から突然間違えることが起きるようになった。

そして、間違うのは100%、川の流れる方向、海の位置と関係していることに気付いた。川は東か南に流れる関東で育った。日本海に面し、川が北に流れる福岡では、急ぐと必ず上り下りを間違ってしまう。

今日は急いでいなかったのに、博多駅で地下鉄に乗ったら、逆の福岡空港行きに。また群馬に帰る気かw 自分のことながら、本当に不思議だ。一駅で気づき、中洲川端行きに折り返す。(1月3日)

すると、かなりの方から「私も同じだ!」というコメントが寄せられました。まず、私と同じ、関東生まれで福岡在住の方。
(東京出身・福岡在住のAさん)
「ああ、一緒ですね! 私めは福岡にずーっと住んでるのに方向感覚が何時も逆なんです。他の町では分かる事多いのですが! 何なんでしょうね?」

次いで、福岡出身者のコメントです。

(福岡出身のBさん)
「凄く良く解ります! 私にとっての『海』は玄界灘でした。東京にいた頃は南北の感覚が???となる事が良くありました」

(福岡出身のCさん)
「福岡で育った私は全く逆で、就職で東京に出て暫くは海が有る方が北の感覚から抜け出せず、ドライブで地図を見るのに苦労しました」

こんなことが、あるんです。静岡の方2人からコメントを寄せていただきました。

(静岡出身のDさん)
「静岡県の裾野市というところで育ちました。北に富士山、東に箱根、西に愛鷹山。北に向かって緩やかな登りになっていて、方向感覚が全くありません。上り道を歩くと北に向かっていると思ってしまいます」

(静岡出身の転勤族・Eさん)
「海は南という感覚が身についていたので、北九州、福岡では変な感じだった。佐賀に行って内海の有明海でさらにわからなくなった」