◆「地図が読めない女」は本当か?

20年ほど前に「話を聞かない男、地図が読めない女」という本がベストセラーになりました。中村先生に「性別は関係あるのですか?」と聞いてみたら「基本的にはないでしょう」と。あるとすれば、育てられ方ですね。

【男の子】 外に出て活発に 男らしく
【女の子】 家の中でおしとやかに 女らしく

ジェンダー(社会的・文化的に作られる性別)は、生まれながらのセックス(生物的な性別)とは違います。こういう育てられ方をする傾向がまだありますから、サーベイマップ感覚を男の人が持っていることが多い、というだけの話みたいです。

方向感覚を考える時、自分はどちらのタイプかと考えるのはいいかもしれません。自分が方向音痴だと思っている人は、「地図感覚の問題なんだ」と思うと安心するかもしれません。私はこの取材で、かなり安心しました。

◆方向感覚を磨くには?(おまけ)

時間の関係で番組内ではお届けできなかった、中村先生の言葉です。方向感覚を磨く時の参考にしてください。

中村:方向感覚を取り入れるとか、小学校で勉強しないので、本当は子供の頃から「今、海はどっち?」って聞くとか、見えない所の方向を聞くような行動をしょっちゅうしてれば、できるはずなんですよ。
中村:娘が神戸の大学に行ったら、神戸のデパートはエスカレーターの上り下りが「海側に行く」「山側に行く」って書いてあるんですね。ものすごい方向音痴だったのに、それで移動のたびに「自分は山の方に行ってる」「海の方に行ってる」というのを身につけた。今は東京に住んでいますけど、 方向感覚の取り入れ方がわかって、だいぶ鍛えられて。
神戸:福岡に来た時は間違うんじゃないですか?
中村:そうかもしれないですね。やってみないといけない。ほんとですね。
神戸:面白い!

◎神戸金史(かんべ・かねぶみ)
1967年生まれ。毎日新聞に入社直後、雲仙噴火災害に遭遇。福岡、東京の社会部で勤務した後、2005年にRKBに転職。東京報道部時代に「やまゆり園」障害者殺傷事件を取材してラジオドキュメンタリー『SCRATCH 差別と平成』やテレビ『イントレランスの時代』を制作した。