高裁の判断~同意に関する評価~

事件の現場となった北九州市小倉北区のホテル

福岡高裁は、弁護側の主張を以下の理由で退けた。

各被害者が塩谷被告に好意を抱いていたとしても、本来であれば講師である塩谷被告は各被害者と適切な距離を保ち、過剰な好意や性的な興味関心を抱かせないよう指導すべき立場にあった。

塩谷被告は講師と生徒という非対等な関係を背景として、各被害者が好意を抱いていることや、各被害者が性的関係を持つことの意味合いや影響をいまだ熟慮できない成長段階にあることを利用していた。

塩谷被告が各被害者と直接連絡を取り合う中で積極的に甘言を弄して性的な話題を繰り返し提供したことから、各被害者は性的な興味関心を抱き、塩谷被告と性的関係を持つことの意味合いや影響を熟慮することができないまま本件各犯行に応じていたにすぎない。

したがって、犯行の動機、経緯として酌むべき事情があるとはいえず、所論は採用できない。

高裁は原判決の説示に誤りはないとし、原判決の宣告時点においては量刑が重過ぎて不当であるとはいえないと判示した。