”超大型”ダンプトラックを使って上司を殺害し、同僚と現場監督を殺害しようとしたとして殺人と殺人未遂罪に問われた元従業員の高橋博行被告(61)に対し、福岡地裁小倉支部は6月12日、懲役23年の判決を言い渡しました。
「重量70トン超、幅6メートル超、高さ5メートル超という巨大なもの」「これで人をひけばけば死亡させることは必至」と裁判長が指摘した通り、高橋被告が使用した車両は採石場で使われる特殊な”超大型”ダンプトラック。
この巨大な車両が、人間関係のもつれから凶器となり、1人の命を奪う悲劇へと発展しました。
ダンプトラックを運転していた男が殺意をもって車両を突進

2024年10月4日午後2時30分ごろ、北九州市小倉南区の住友大阪セメント小倉鉱山採石場で、ダンプトラックを運転していた高橋被告が、立っていた上司の山崎雄二さん(当時51)と同僚の男性(当時61)に向けて、殺意をもって車両を突進させました。

さらに、現場に駆けつけた現場監督の男性(当時50)が乗っていた車に向けても同様に突進。
この一連の行為により、山崎さんはダンプトラックにひかれ、胸腹部圧迫による多発外傷で死亡しました。
同僚の男性と現場監督の男性は、紙一重で助かったものの、ダンプトラックが間近に迫る恐怖を体験したことにより深刻な精神的苦痛を受けています。