書店でコメを売り始めた”苦しい事情”

RKB 岩本大志記者
「店の入り口には、素麺やお米が並んでいますが、実はこちら老舗の書店なんです」

北九州市八幡西区にある「白石書店」。創業100年を超える老舗の書店ですが、店頭だけを見るとまるで食品売り場のようです。

白石書店 白石隆貴 専務
「年々お米を買いに来られて、ついでに本を買っていくというパターンも出てきているので。書店に本を、ではなくてお米を買いにきている」

食品を売り始めたのはおよそ2年前。背景には経営の厳しさがありました。

白石書店 白石隆貴 専務
「書店業界がなかなか難しくなってきているので、本の売り上げは減っていっています。最近だと激しいときは前年比で10パーセントくらいダウンしたりとか」

本離れなどから次々と姿を消す街の書店。2014年度には全国で1万4000店舗あまりありましたが、10年間で3割近くが閉店。およそ1万店舗まで減少しました。(日本出版インフラセンター調べ)

書店がない自治体、年々増加

こうした状況から「無書店」の自治体が年々増加し、福岡県内でも3割以上の自治体に書店がありません。(出版文化産業振興財団調べ)

白石書店も生き残りをかけて、新たな書店の形を模索し続けています。

白石書店 白石隆貴 専務
「書籍の売り上げが大きく減っていっているので、それをカバーするためにほかの商材を集めて、販売しているという状況です。地域のもの、企業さんであったり、行政の方だったり、そういうところとコラボしながら、地域を盛り上げていける状態になれれば必然と人も集まってきて、売り上げも上がってくるかなと思っています」