◆438日ぶりに陽性者がいなかった日

3,2,1!その瞬間、福岡市中心部に設けられた巨大なツリーが無数の光を放った。RIBBON(つながる)&REBORN(復活)がテーマ。手拍子をしたり口ずさんだり―、街に響いたのは2年ぶりの「音」楽だった。

我慢の冬。外で「第九」を歌うのはテノール歌手。寒稽古の子供たちのかけ声が再び聞こえた。“復活”のサックスと女性たちのゴスペルが積み重なっていく。そこに「陽性者0」の速報を伝える男性アナのナレショーンが割り込む。2021年12月17日は、福岡県が毎日発表する新型コロナの陽性者が438日ぶりにゼロだったのだ。
◆ツリーの無数の光に反射して―

サンタさんへのお願いは?「決めています、みんなには秘密だよ」女の子の瞳に巨大ツリーの灯りが反射している。さぁ何が届くのかな―。

これまでにみつけた色んな音が一斉に登場し、映像が音で満たされた。こう締めくくられた映像作品『耳で感じる冬~“音”風景~』は、九州・沖縄の全民放テレビ局とNHKが参加する「九州放送映像祭」のミニ番組コンテストでグランプリに輝いた。
2021年12月の福岡の風景を音で紡(つむ)いだのはRKBの両角竜太郎カメラマンだった。