「常に父親の顔色をうかがい、性的虐待に耐えていた」裁判所が認定した犯行の実態

判決で福岡地裁小倉支部(三芳純平裁判長)は養子の長女に対する性的虐待の実態について詳細に言及した。

長女は父親と性交したくないという気持ちを持っていたものの、そのような態度を見せれば父親の機嫌が悪くなり、長女自身や同居の家族が暴力を振るわれたり「捨てるよ」などと脅されたりすることから、抵抗することを諦めていた。

長女は常に父親の顔色をうかがい、時期によっては父親を喜ばせるために恋仲にあることを装いながら、一連の性的虐待に耐えていた。

そして犯行の結果、長女は妊娠。

2度目の中絶により妊娠する能力が失われることを恐れて父親との子を出産するに至った。

次女に対する犯行については、「お願いやけん」などと言って手を取り、下半身を直接触らせるなど、「もっぱら次女を性欲の対象として扱った悪質な態様」と認定した。

また、長女が子を連れて家を出た後、児童相談所によって一時保護されていた次女が帰ってきた夜に行われた犯行である点について「親としての責任を顧みない犯行」と指摘した。