◆21日は息子の誕生日 夢中で書いていると・・・

藤中松雄には、妻ミツコとの間に二人の息子がいた。長男の孝一は8歳、復員後に生まれた次男の孝幸はまだ2歳だった。親族からも手紙が寄せられている。
<藤中松雄が兄に宛てた手紙 1949年9月20日付>※一部現代風に書き換え
西郷の伯父さんからは「京都本願寺」「南無阿彌陀佛」の御守り様を戴き、切々胸打つ法話、嘆願の事、ありがたさで、これ以上書けません。返信書かねばとただ思うばかりで、ご承知の如く、兄から礼を言って下さい。頼む事ばかりですね。孝一(長男)に書くつもりだったと云いましたが、二十一日は彼の誕生日で、その事を光子の便りに書きたかったが、夢中で書いていると(胸が)一杯になって書けなくなってしまいました。