自然に水分を失う「不感蒸泄」

そして、夕方以降に家の中で熱中症が多い理由として、伊藤名誉院長がもう一つ挙げたのが、「不感蒸泄」という言葉。
人は汗をかくだけでなく、皮膚や呼気からも自然に水分を失っているということです。

北九州市立八幡病院 伊藤重彦 名誉院長
「皮膚から自然に蒸発することによって、人は一定の体温を抑えている。寝ている間だけでも、一般の成人で500ミリリットルぐらいの不感蒸泄で水分を失ってまして、お風呂に入った後も500ミリリットルぐらいのものが出てると思っていただいていいと思います。夕方以降のその輻射熱が重なっているような時期と夜に、お年寄りの方は水分不足の上に寝て、朝までの間に汗をかいて、そして、不感蒸泄も加わって、朝方になって急変しているのを家族が見つけて搬送」
水分補給と冷房で対策を

家の中での熱中症を防ぐためには、喉が渇く前にもこまめな水分補給をすること、適度な換気、そして、冷房を上手に使って欲しいと話します。
北九州市立八幡病院 伊藤重彦 名誉院長
「節電というのは大切ですけど、そのために救急搬送されて命に関わるということはもっと良くないことですから、そこはもう思いっ切り使ってください」
家の中の熱中症、夕方の時間帯は熱がこもっているため、注意が必要です。
そして戸建て住宅の場合は、1階よりも2階、3階に注意を。
湿度にも注意をしてください。お風呂に入ったり、台所で料理をする際にも注意が必要です。