「研究ものはいけない」とは?

分かりにくいものを少し解説します。
五、「研究ものはいけない」
気象台予報課の職員は、日々の予報以外にも様々な気象現象の研究をして、学会で発表したりするなどの仕事もあります。ただ、予報当番の日には、自分の研究に没頭するのではなく、予報に重きを置けという意味です。
「心を動かさぬこと」とは?

願望を予報に入れない、予報が外れても動揺しないことだそうです。
このことについては、私自身、若気の至りで、とても痛い思い出があります。
ゴールデンウイークの天気予報で、雨が降るおそれがあるにもかかわらず、晴れる確率をやや高めに発表し、土砂降りの中で雨に打たれながら大謝りしたり、ぐずついた天気が1週間以上続いた後、やっと「晴れで、雨の確率0%」の予報が発表されたため、「あす、雨が降ったら髪を切って坊主になります」と口走り、坊主になってしまったり。反省しきりです。
「禁酒の日」に、改めて見る「予報の心得・「予報前の酒はよろしくない」

そして、藤原博士は、「天気予報をする側の心得の七番目に「予報の前の酒はよろしくない」と記しています。
まさにその通り。私たちも、台風前や梅雨時期は、普段から深酒しないようにしています。
そして、「予報前の酒はよろしくない」に続く、藤原博士の言葉には、親近感を持たざるを得ません。
「ただ、禁酒せよとは言わぬ。そうなると筆者の如きは一番困る」
きょうは、「禁酒の日」。だが、全国的に冷え込んでいる。熱燗でも呑んで、体を温めてゆっくり休み、あす以降の天気予報に励もうと思う。
RKB 気象予報士 龍山康朗