生理時にショーツそのものが水分を吸収してくれる「吸水ショーツ」。
日本ではほとんど認知されていなかった5年前、いち早く開発に取り組んだ女性がいる。
当時、さほど需要があるとは思われず、協力企業探しには難航したが、販売後は予想以上に反響があった。

女性特有の悩みを技術力で解決する「フェムテック」。
たった1枚のショーツは、教育を受けられない少女たちや、貧困にあえぐシングルマザーを救う可能性を秘めている。

「吸水ショーツ」で我が家に起きた”生理革命”

「もっと早く使えば良かった」「生理ナプキン替えなくていいとか感動!」

昨年秋、私のスマホに娘たちからこんなメッセージが届いた。
そう、我が家で”生理革命”が起きたのだ。

女性の健康課題をテクノロジーの力で解決するフェムテックの市場が広がっている。
中でもここ数年さまざまなブランドから商品化が相次いでいるのが「吸水ショーツ」だ。
ナプキンを貼り付けるための下着ではなく、下着そのものが水分を吸収するというものだ。
3000円~7000円程度の物が多く、少々値は張るが、洗って繰り返し使えるため、長い目で見ると経済的で、何といってもごみが出ない”エコ”が嬉しい。

福岡の放送局に勤める筆者は、番組の取材で「吸水ショーツ」の存在を知った。
早速購入し、2人の娘たちにプレゼントした。
数か月後、娘から興奮気味に冒頭のメッセージが届いたのだ。

我が家に“生理革命”を起こした吸水ショーツ

個人差はあるが、通常生理2日目など経血の多い日は、あっという間にナプキンは容量をオーバーする。
一日に何度もナプキンを交換しなくてはいけない。
ところが吸水ショーツを体験した娘たち、「一日中履いていても気にならなかったよ」「これ、ゴミが出ないし画期的!」「次の生理が楽しみ」と絶賛する。
正直、半信半疑でプレゼントした。
年齢的に私自身は試すことができないから、娘たちはいわば実験台。
しかし、彼女たちの言葉から「吸水ショーツ」の良さは容易に想像できた。
「へー、そんなにいいの?私も使ってみたかったな」と羨ましく思いつつも「いや、これ尿漏れにも使えるかも」と、近い将来やってくるかもしれない更年期に少しワクワクした。