「真っ赤なお鼻」の酔っ払い

神戸:「酒錆」。

下田:さけさび?酒の肴とは違う……。

神戸:さかなじゃないなあ。人の顔が、酒サビみたいに。

下田:えー、真っ赤になる?

神戸:そうそう!アルコール中毒で、鼻の頭が真っ赤っ赤になっている人のことを「酒錆」と言っているんです。

下田:酒焼けみたいな。

神戸:錆と表現するの、よくないですか?錆びついてるんだって。

下田:ははは、ひどい(笑)酒錆にならないよう気をつけないと。

神戸:正月に飲みすぎて酒錆にならないよう。

神戸:あまりお酒を飲みすぎると、こんなことを言われるかもしれません。「ぎみがま」。

下田:ぎみがま?何なんでしょうね……。

神戸:似たような言葉があるでしょう?

下田:がま?

神戸:がみがみ。

下田:がみがみ?

神戸:「口ややかましく、とがめ立てすること」を「ぎみがま」と言います。

下田:へー、言いにくいわね。

神戸:「ぎみがま」の類義語、同じ意味の言葉に、「がみがみ」「ぎみがみ」と上がってて。今だったら「ガミガミ怒る」と言うじゃないですか。それが、「ぎみがま怒る」だったり、「ぎみがみ怒る」だったり、いろいろあったらしい。

江戸ことば「ぎみがま」

下田:へー!

神戸:生き残ったのが「がみがみ」だけ。「ぎみがま怒る」。

下田:これ、語源って何なんでしょうね。

神戸:なんなのかな?でもガミガミだって分からないでしょ。

下田:確かに(笑)当たり前のように使ってて。

神戸:何か噛み付いてるようなニュアンスがありますね。「がみがみ」も「ぎみがま」も「ぎみがみ」も。なんか噛みつかれるような。

下田:そうだね。ガミガミしないようにしましょう。

神戸:あまりお酒を飲むと、「ぎみがみ言われる」かもしれません(笑)

お江戸の町に100均が

神戸:次はちょっと色合いの違う言葉で、こんなのはどうかな。「十九文店」。

下田:じゅうくもんみせ?100円ショップみたいな?

神戸:おお!その通りです。「19文均一の品物を売る店。江戸中期に始まると言う」。

下田:へー!

神戸:19文を払えば買えるものばかりを揃えた店が、江戸時代の町にはあった。まさに100円ショップですよ。

下田:20文じゃなくて、1文少ない。

神戸:99円ショップみたいですね。

下田:ははは、確かにそうですよねー。どんなものが置いてあったのかな。やっぱり日用品ですかね?

神戸:小間物とか日用品が多かったんだろうと思うんですけど、辞典だけではどんなものかはわからない。だけど「十九文店」と言われた店があった、ということに僕は「はー!100均じゃないか!」と驚いたわけですよ。現代とすごく近い感じがするんですよね。