事件が起きた9月21日 渡辺被告の行動

そして9月21日、事件は起きた。
午前3時46分ごろ、実家にいた渡辺被告は、彩さんから電話で速やかに帰宅するように言われマンションに帰宅した。

午前7時55分、子ども2人を連れて外出。
午前8時12分に彩さんの勤務先の小学校に電話を入れ「病気のため2日間ほど休む」と伝えている。
その後も「(彩さんが)精神的に病んでおり休ませる」などと嘘の連絡をし、彩さんの家族にも同様の嘘を言っていたという。

9月22日以降は実家やビジネスホテルに宿泊していた。
渡辺被告の供述調書によると、「においがしたので、子供とホテルに滞在することにした」。

1か月後、心配した彩さんの両親と弟たちが遺体を発見

およそ1か月が経った10月19日午後10時前、彩さんと連絡がつかないことを心配した彩さんの両親と2人の弟が渡辺被告に連絡し、自宅を訪問。
渡辺被告は彩さんの家族がマンションのエントランスを通り部屋に入る前に、彩さんが死亡したことを打ち明けた。

(彩さんの父親の供述調書より)
遺体を発見した日は、車の中に司さん(渡辺被告)がいて、彩のことを尋ねると言葉を濁し、要領を得ないことを話していました。
部屋に向かっているとき、司さんから「彩は死にました」と聞きました。
弟2人が鍵を取り上げて急いで部屋に行くと、ベッド上でなくなっている彩を発見しました。
「何でここまでほったらかしていたのか」と尋ねると「子供たちになんて言ったらいいか分からなかった」「9月21日にビニールで首を吊って自殺しました」と言われました。
「どこでね」と尋ねると黙り込み「すみません」と小さな声でずっと言っていました。