家族4人での生活 夫婦の収入格差
渡辺被告と彩さんは約15年前、彩さんが20歳の大学生、渡辺被告が26歳の時に出会った。
2013年に結婚。
事件当時は9歳の長女と5歳の長男と4人で暮らしていた。
検察側の冒頭陳述によると、彩さんは福岡県久留米市内の小学校に勤務し、月に約30万円の収入があった。
当時は6年生の担任を受け持ち、「優秀で子供思い」などと校長や同僚からの信頼も厚かったという。
一方、渡辺被告は2006年、知人とウェブ広告関連の会社を起業した。
しかし2021年9月からは定収がなく、消費者金融から400万円以上の借金があったほか、実母からも1180万円を借りていた。妻の彩さんには「5000万円超の投資信託がある」と嘘を言っていたという。
新築マンション購入めぐりトラブル
事件がおきた去年9月、夫婦は新築マンションのギャラリーを訪れ、販売価格4790万円の部屋の購入を決めた。
2400万円を彩さん名義でローンを組み、残りの2390万円は渡辺被告が支払うことにした。2390万円のうち470万円を手付金として振り込むことになっていたが、渡辺被告が手付金を支払うことはなかった。
9月10日
夫婦は15日までに手付金を支払い、17日に売買契約を締結するとマンション販売会社の従業員に話す
9月15日
渡辺被告は手付金の支払いをせず
従業員からの連絡に「振り込み手続きはしたがミスで入金が19日になる」と嘘をつき「妻には黙っていてほしい」などと伝える
9月17日
夫婦はギャラリーで売買契約書に署名
9月19日
渡辺被告は手付金を振り込まず
「手続きはしたが送金限度額を超えたたため送金できない。20日午前10時までには振り込む。妻には言わないでほしい」などと従業員に伝える
9月20日
渡辺被告は手付金を振り込まず
マンション販売会社の従業員が彩さんに連絡
手付金が振り込まれていないことを伝える
彩さんが電話で渡辺被告を叱責