◆問題は「ビジネスとして成立するか」

協力企業の担当者と打ち合わせ

私は協力企業の担当者に電話して、アインがオクラの栽培を始めていて、どうやら順調そうだということ、避難民にとってもベビーコーンよりオクラの方が取り組むハードルが低いことなどを話し、事業として取り組む野菜をオクラからスタートさせるべきではないかと伝えた。

事業の進捗が思わしくないことは、もちろん企業側もわかっている。むしろ、私のように自分がやりたくて勝手に活動しているのとは違い、ビジネスとして成立するかをよりシビアに判断しているはずだ。

担当者は電話口で少し思案している様子だったが、最終的に栽培する野菜をオクラに変更することを了承してくれた。

◆アインがやる気になった 思わずガッツポーズ!

アインが自発的に栽培していたオクラ

早速、アインに「次のシーズンは、日本のオクラの種を植えないか。農薬などの基準を守り、品質をクリアすれば、日系企業が買い取ってくれる」と伝えた。

アインは、「オクラでいいなら、ぜひ一緒にやりたい」と言ってくれた。私は思わず、小さくガッツポーズをしていた。

まだ種も撒いていないのに気が早い話だが、事業の未来にわずかに光が差したような気がしたのだ。少しの前進をこのように感じてしまうくらい、この事業の先が見えていなかったとも言える。そして何よりも、ようやく本腰を入れて一緒に事業に取り組んでくれる避難民の仲間が出来たことが嬉しかった。