感染再拡大の要因として指摘されているのが、オミクロン株「BA.5」の流行です。


県内でも置き換わりが進んでいます。先月中旬のゲノム解析では感染者はすべて「BA.2」でしたが、3週間後の先週には「BA.5」の割合が一気に増え、およそ26%を占めるまで広がっています。

広島大学 大学院 坂口剛正教授(ウイルス学)
「BA.5は、BA.2から分かれて出たウイルスだが、今のところ、言われているのはBA.2に比べて感染力が1.3倍とか、1.4倍とか広がりやすいということが特徴」


一方で、「BA.5」の重症化についてはー。


坂口剛正教授
「重症化するかどうかは情報がないが、これだけ広がっていて、あまり重症化するという話は聞かないから、それに関してはBA.2と一緒かもしれない」


14日時点で広島県内の重症患者は3人、重症病床の使用率は6.7%にとどまっています。ただ、やっかいなのは「BA.5」に対して、これまで打ったワクチンの効果が低くなっている点です。


坂口剛正教授
「少しワクチンが効きにくくなっている。BA.2よりもさらにBA.5の方が効きにくくなっているので、ワクチンを打った人でもかかってしまうことが起こり得る


「BA.5は非常に広がりやすいので、ちょっと今、コントロールできないというか、おそらくこれから新規の感染者がどんどん増えていくと思うので、これから8月に向けて、もう少し数が増えるのでは」


人の動きが活発になる夏休み、そして、お盆シーズン。結局、これまでの感染対策を維持する以外に対策はありません。

広島大学 大学院 坂口剛正教授
「対策としては、これまでやってきた感染防御。マスクとか、食事のときに気を付けるとか、各人がもう少し感染防御に気を付けることが、まず1つ。それから何よりもワクチンを打つと、重症化を防げるのは確かなので、まだワクチンを打ってない人、3回目を打ってない人、対象者で4回目を打つ人は、ワクチンを打っておくのが必要だと思う」


― 最前線の声でもやはりこれまで以上に感染力は強いと。加えて人の動きが活発になっていることやワクチンの効果が低下していることなど、感染が広がる条件が重なっています。急激な感染拡大は、また医療現場をひっ迫させて行動制限がかかる事態にもなりかねません。1人ひとりがあらためて感染防御を忘れず、気を付けていくことが重要です。