「それは、まず、平和記念式典を開催する側の決定であります。我々がそのような決定を挑発させる、いかなる行為もしておりません。

そして、その決定が行われたこと自体は、やはり平和記念式典の開催側がロシアの核軍縮・核不拡散の分野におけるリーダーとしての役割を全く知らないとか、まったく無視していることを物語っていると思っています。

『核戦争に勝者はあり得ない』『核戦争を起こしてはならない』という共通認識の確認をアメリカに提案したのは、ロシアです。そして、去年、共通の認識がロシア・アメリカ間で最高首脳レベル、プーチン大統領とバイデン大統領のレベルで再確認されました。

さらに、ロシアのイニシアチブによって、ことしの1月3日、核保有5か国全体の共通認識として確認されました。

さらに、いま現在、核軍縮の分野において唯一の法的手段であるロ米間の戦略攻撃兵器削減条約(START)が延長されたものもロシアのイニシアチブによる達成であります。

そういったロシアの核軍縮におけるリーダーとしての役割をことしの平和記念式典の開催側がまったく無視していることは、それは許しがたいことだと思います」

― その一方で、プーチン大横領は、「核戦争に勝者はない」と表明をしつつも、ウクライナでは、「ロシアは核を持っている国だ」と発言もあります。また核兵器が使われるのではないかと、恐怖を感じています。この点は、どのようにとらえているのか?

「我々がやっているウクライナにおける特別軍事作戦との関連で、核による行動・核兵器の使用を恐れる理由は全くありませんし、恐れる根拠は全くありません。

まず、ロシア側が、いかなるレベルにおいて、ウクライナにおける特別軍事作戦の関連で核兵器の使用が可能であるということを一切、言っておりません。それはまず初めに申し上げたいと思います。

『ロシアが核兵器を使用するんじゃないか』と言っているのは、逆に西側の政府と西側のメディアです。ロシアは一言も言っていません。なぜかというと、そういう意図が全くないからです。

ロシアの安全保障にかかわる綱領的文章のなかで、ロシアという国家がどういう場合において、核抑止力に訴えることが法律上できるかを明示しています。それは、▽ロシアが、大量殺害・大量殺りく兵器を使った侵略の対象になる場合、▽国家の存立が危機に瀕しているほどの通常兵器による侵略の対象となる場合です。

つまり、この2つの場合においてのみ、核の抑止力の使用が可能となっていて、そのどちらもウクライナにおける特別軍事作戦に当てはまらないものです。

ウクライナにおけるロシアによる核兵器の使用があり得ないということを明確に広島の市民のみなさんに言っておきたいと思います」

― ロシアは核兵器を使わないと、はっきりと?