地殻変動の強いエネルギーは周囲の岩石よりも、この極めて薄く滑りやすい粘土層に集中。この「断層ガウジ」が強力な潤滑油の役割を果たしたことで、境界断層が一気に滑ることが可能になり、デコボコに荒れた断層面すらも乗り越えたー
今回の研究で、東日本大震災の巨大津波を引き起こした「巨大すべり」を可能にした地質構造・物理特性が、明らかになりました。
未来につながる知見
海洋研究開発機構によると日本海溝は遠洋性粘土が多く沈み込む場で、南海トラフなどと比べ、海溝に近いところでの「巨大すべり」が起きやすいと考えられます。
海洋研究開発機構は、この冬行われた研究航海などの結果とも照らし合わせ、「科学で得られる情報を駆使し、巨大地震の発生メカニズムの解明に取り組む」としています。地震から人々の命を守るための研究に終わりはありません。
