命どぅ宝

米軍が投降を呼びかける声に応じ、富子さんは老夫婦を残しガマを出た。手に白旗を携えて。

「おばぁちゃんが褌(ふんどし)を切って、三角にビリビリ破って、旗を作ったんです。“命どぅ宝”(命こそ宝)って。あなたもガマから出て命をつなぎなさい、と」

「若い人に希望を託す」と語った富子さん

「戦争というのは人間が人間でなくなるし、全て自分が大事にしていたものもみんな破壊されて、無になってしまう。二度と戦争は起きないように」「若い皆さんに、と言ったら自分は責任逃れしているみたいですけど。若い人に希望を託している」

老夫婦から受け取った言葉を胸に、戦争体験を語り続けてきた比嘉さん。希望を託された私たちは、平和のバトンをしっかりとつないでいく責任がある。

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【キャスターMEMO】
今年シリーズでお伝えしてきた「戦後80年 #あなたの623」。視聴者・読者の皆さんに多くの証言を寄せていただき、ありがとうございました。RBC NEWS Linkでは来年以降も引き続き、戦争体験者の声や記憶を継承する取り組みや平和への思いを発信していきます。