宜野湾市の保育園の屋根でアメリカ軍ヘリの部品が見つかった問題から7日で5年です。安全な暮らしを願い、あす4度目の政府要請に向かう一人の女性の思いをお伝えします。


具志堅美乃(ぐしけん よしの)さん
「普天間第二小の父兄なんですけれども、落下物事故から5年経った今も変わらない現状を政府に要請しにいきたくて」

署名を呼びかけるのは、具志堅美乃さん。元園児の保護者です。
2017年12月7日、宜野湾市の保育園の屋根からアメリカ軍ヘリの部品が見つかった問題。アメリカ軍はヘリの部品と認めたものの、“落下”は否定しています。


その6日後、保育園に近い普天間第二小学校のグラウンドにアメリカ軍ヘリが窓枠を落下。当時、具志堅さんの長女と次女が保育園に、長男が小学校に通っていました。具志堅さんら保護者は、園上空の飛行禁止などを何度も政府に訴えてきました。

しかし現状は何も変わっていません。

具志堅さん
「これをなかったことにしちゃいけないと思っているので私は。苦しいです、苦しい苦しいです、やっぱりどうしても家族に迷惑かけちゃうし」


普天間基地におけるアメリカ軍機の離着陸回数は事故のあった2017年度に比べ、増加。外来機については、昨年度およそ8倍に増えています。

具志堅さん
「心配なことは増えています。悪くなっていると思います」

2020年4月、普天間基地から有機フッ素化合物=PFOS(ピーフォス)を含む泡消火剤が基地の外に流出。それ以来、具志堅さんは、水道水を料理に使わなくなりました。

具志堅さん
「飲み水とご飯作ったり、氷作ったりするのは購入しています。宜野湾の水は飲めないなと思いました」


事故から5年経ち、不安がさらに増すなか、具志堅さんらは、空・土・水の安全を保障することなどを求め、12月8日に政府要請を行います。

具志堅さん
「日本の政府でしか変えられないと思っているんですよ、どうにかしてくれって本当に思います。」



【記者MEMO】
この5年間で周囲の関心の薄れを感じることもあるようですが、具志堅さんらの団体「#コドソラ」には、6日時点でおよそ3万5000人分の署名が寄せられたということです。PFOSなど環境汚染への懸念も含め、状況は悪化したと言えるなか、暮らしの安全を求める母親たちの声を政府はどう受け止めるのでしょうか。