普天間基地の名護市辺野古への移設を巡り沖縄防衛局は、新たなルートで埋め立て用土砂の輸送を始めた。5日、うるま市の平安座島上空を飛んだ取材ヘリからは、桟橋につけた運搬船に次々に土砂が積み込まれているのが確認できた。
土砂は同市の宮城島で採取したもので、沖縄防衛局は4日から平安座島にある民間企業の桟橋を使用して海上輸送している。
平安座島では5日、移設工事に使用する土砂を積んだダンプカーが民間施設に入ったあと、船に土砂を積み込んだ。
宮城島で採取された土砂はこれまで、中城湾港まで運ばれたあと船で辺野古へ運ばれていたが、今回宮城島から陸路でおよそ10分の平安座島からの輸送を始めたことで、辺野古・大浦湾までの輸送時間が短縮された。
しかし沖縄防衛局が設計変更にあたり県に提出した資料では、宮城島から採取した土砂の輸送ルートは中城湾港を使用したものしか記載されていない。
県は、埋め立て承認の留意事項に輸送ルートの変更には「県の承認を受けること」と記載されていることから、今回のルート変更には県の変更承認が必要と指摘していて、今後の対応を検討するとしている。
一方で関係者によると沖縄防衛局は、「当初示している輸送ルートはあくまでも大まかなもので、今回のルート変更は変更承認を必要とするものではないと判断している」という。
