2020年に閉館した大分県別府市の大衆演劇場「ヤングセンター」。その施設の温泉には、色彩豊かなステンドグラスがあり、多くの利用者を魅了してきました。建物はすでに解体されてしまいましたが、そのステンドグラスが、再び輝きを取り戻そうとしています。

別府市の鉄輪地区にある「ヤングセンター」は1958年に創業。全国各地の劇団が芝居を披露、多くのファンに親しまれてきました。また、施設には宿泊者と利用者だけが入浴できた温泉があり、南蛮文化を彷彿とさせる13枚のステンドグラスが設置されていました。太陽の光が差し込む時間帯は、浴場に美しい影が投影されたということです。
ヤングセンターの温泉に設置されていたステンドグラス

そのヤングセンターは2020年3月30日、経営者の高齢化を理由に惜しまれながらも閉館。翌年には施設が取り壊されました。閉館とともに、ステンドグラスも解体される予定でしたが、このステンドグラスに魅了された写真家が「保存」に向け立ち上がりました。その写真家とは別府市出身で、現在は東京に住む東京神父さんです。
東京神父さん

東京神父さん
「ステンドグラスにめちゃくちゃ感動して、こんな温泉があるんだとびっくりしたんです。差し込む光が温泉のお湯に揺らめいて光っている。こんな経験はしたことがない」

2020年4月、地元に帰省していた東京神父さんは、知り合いから「ヤングセンターが閉館した」と聞くと、すぐさま別府市役所に「ステンドグラスを保存できないのか」と相談を持ち掛けました。市役所の職員から「現場に行ってみては?」と言われると、すぐに解体中のヤングセンターに直行。関係者を説得し、ステンドグラスを保管させてもらうことになりました。

東京神父さん
「ステンドグラスを観た時の感動を残したい。そんな気持ちでした。結果として別府ヤングセンターの象徴となるステンドグラスが残ればいいなと」