捜索願いが出されていた高齢男性を大分市内で発見し、無事保護したとして43歳の男性に警察から感謝状が贈られました。

大分市で9月12日午前、同居する70代男性の行方が分からなくなったと家族から捜索願いが出され、警察や消防団が捜索にあたっていました。

こうした中、仕事帰りに子どもの迎えに行く途中だった大分市職員の出野剛さん(43)が翌13日夜、国道197号沿いの縁石に座り込んでいた男性を発見しました。

車のヘッドライトの灯りで男性が上半身裸で、うなだれている状態だったため、不審に思った出野さんは車をとめて、「大丈夫?困ってる?」などと声をかけました。

男性は「道がわからなくなって…」と応じるも回答がちぐはぐで、脈や呼吸を見ると不自然だったので警察に通報しました。

警察によりますと、男性は当時、山や林の中をさまよい、転倒するなどして切り傷や擦り傷があり、保護したあと脱水症状ですぐに入院したということです。

出野さんは「運転中でしたが、どうみてもおかしいと思いました。消防団など多くの人が捜していたのでその方たちのおかげです。実際に行動に移せてよかった」と話しています。

また、入院した男性の娘から出野さんに連絡があり、「助かってよかったです。ありがとうございます」と感謝されたということです。

警察から感謝状を受け取った出野さんは「小さな勇気がこれからの世の中に大切なことかもしれません」と話していました。