大分県別府市を舞台にした短編映画のプロジェクトに俳優の斎藤工さんが監督として参加することになり、市内の映画館にサプライズで登場しました。プロジェクトに参加した理由、そして映画への思いを語りました。

泉都の老舗映画館として親しまれている「別府ブルーバード劇場」。この日、高校生が続々とやってきました。

(高校生)
「劇場が古風な感じでいいと思う」
「担任の先生からイベントがあると聞いて。あんまり詳しく聞いてないのでわからない。楽しみです」

上映されたのは、俳優の斎藤工さんが監督を務めた「blank13」。失踪した父と向き合う家族の心情を描いた作品を観賞しました。上映後、斎藤さん本人がサプライズで登場。実は、高校生活の思い出になればと斎藤さんのアイデアで劇場への無料招待が企画されたのです。斎藤さんは映画の魅力を語りながら、若い世代へメッセージを送りました。

(斎藤工さん)
「いま面白いのがひとつの職業だけじゃなくて、僕も俳優と監督をやっている。ひとつじゃなくてもいい。映画業界のハードルはそんなに高くない」

(高校生)
「めっちゃかっこよかったです」
「映画に興味がわきました」
「普段、あまり映画を見ないけど、ブルーバードに来てよかった」

現在、公開中の映画「シン・ウルトラマン」に主演するなど俳優として活躍し、監督としても海外の映画祭で受賞歴を誇るなど高い評価を得ている斎藤さん。今回は有名監督が作品でバトンをつなぐ「別府短編映画制作プロジェクト」に参加。コロナ禍で観光客が遠のく別府の街を盛り上げようと2021年に立ち上がった企画で、斎藤さんは3作目の監督を務めます。

(斎藤工さん)
「参加しない理由がなかった。地域で作って地域で上映する大きな意義のあるプロジェクトと思いました」

斎藤工監督


映画のタイトルは「縁石(ふちいし)」。大分市出身の安部賢一さんが演じる中年男性が、故郷・別府を訪れ、人や温泉との出会いを通じて、自分と向き合うストーリーです。

映画「縁石(ふちいし)」の撮影風景


斎藤さんが参加したもう一つの理由。そこには劇場への特別な思いがありました。

(斎藤工さん)
「色んな映画監督や俳優が照さんに会いたくて昔から集まる場所。映画人のパワースポット」

70年以上にわたってミニシアターの文化を守ってきた岡本照館長への思いです。

別府ブルーバード劇場・岡村照館長


(別府ブルーバード劇場・岡村照館長)
「小さな映画館を気に入ってくれて、何回も寄ってもらっていた。照さん照さんって言ってくれる。大事にして古いけど、続けていきたい」

映画業界もコロナ禍で大きな打撃を受けました。斎藤さんはそんな時にパワーをもらった岡本館長をはじめ、別府の街を映画の持つエンターテインメントの力で盛り上げたいと考えています。

(斎藤工さん)
「自分の作品だけというよりはこのプロジェクト自体がどんどん魅力を増して、結果的に別府の街が改めて映画で照らされて、別府に恩返しできたらなと思う」