大分県内2例目となる大規模な大規模風力発電所が大分市と臼杵市の間に完成し、運転を始めています。再生可能エネルギー最前線。その現場を取材しました。
大分市と臼杵市にまたがる九六位山。この山の尾根で4月10日から運転を開始したのが大規模な風力発電所、「大分ウィンドファーム」です。
(糸永記者)「こちらが風力発電機です。下から見上げると、かなりの迫力があります。風を切る音やモーター音が聞こえますが、それほど大きくはない印象です」
羽までいれた全長は136.5メートル
風力発電はおよそ2ヘクタールの面積に全部で5基設置されています。羽まで含めた全長は、136.5メートル。わかりやすく例えると大分市のオアシスタワーやJR大分駅ビルを超える高さです。

大規模な風力発電所の操業は、2005年に運転を開始した玖珠町の風力発電所に次いで県内2例目です。
(コスモエコパワー 事業開発部・三宅誠人グループ長)「この号機はボックスがこちらに向いているということは、風がこうあたっているということ。一方で、奥の2号機はボックスの向きがまた少し違い、風のあたり方が違う。360度回転しながら一番いい発電効率を目指す」
1基あたりの発電量は3200キロワット。5基合わせると一般家庭およそ7000世帯分の年間電力使用量に相当します。気になる安全性についてはー。

(コスモエコパワー 事業開発部・三宅誠人グループ長)「都心で高層ビルを建てるのと同じ耐震基準が求められて建てている。(台風の時など)風速25メートル以上の風が吹くと自動的に停止するようなシステムを設けているので、安全に気を配って発電所の運営をしている」

14年前から地元住民と協議を重ね 運転開始
建設を巡っては、14年前の計画段階から幾度となく住民側との協議を重ねて、今回の運転開始に至ったということです。
(大分市小佐井校区・藤澤秀光自治会長)「景観が損なわれるとか土石流が起こるとか、そういう反対の意見も少しあったけど、心配事というのは全くなかった。観光資源として地域振興につながっていけばいい」

運営するコスモエコパワーは今後も住民への理解を得ながら、発電所を通して再生可能エネルギーの関心を高めていきたい考えです。
(三宅誠人グループ長)「再生可能エネルギーというもの自体に関心が今後高まっていく中で、まず地元地域が発展することを一番に考えて、様々なことに取り組んでいきたい」

風力発電には広い土地が必要となり、再生可能エネルギーの導入を進めていくには「地域との共生」がひとつのカギといえます。