大分市の郊外にあり、豊かな自然に囲まれた小学校で授業がある日は必ず通学路で、子どもたちや教職員に声をかける竹山武志さん(56)。7年前、4歳の息子を交通事故で突然、亡くしました。それ以降、子どもたちの登校中は交通指導員として交通安全の声掛けやあいさつでコミュニケーションをとり、今では多くの人が知る存在です。
【写真をみる】わき見運転、兄弟の目の前ではねられ死亡した4歳 毎日通学路に立ち続ける父の“覚悟”


40メートル以上 はね飛ばされた小さな体
竹山一家に予想もしなかったことがおきたのは、7年前の2016年3月20日のことでした。自宅前の広域農道を手を挙げて横断していた四男の沓里(かずさと)ちゃんが、男性が運転する車にはねられ、小さな体は40メートル以上はね飛ばされました。


竹山武志さん:
「『お父さん!おとうさん!かずくんが車にひかれた!』次男の弦伸が叫びながら走って来ました。はね飛ばされた沓里を家内が抱きかかえていましたが、傷ついて動かない、何も言わず、泣きもしませんでした。私が代わり、仰向けにして顔をのぞくと全く意識がなく、額には大きく裂けた傷があり、手に血が流れ落ちてきました」
沓里ちゃんは病院で手当てを受けましたが、小さな命が息を吹き返すことはありませんでした。いつものはちきれんばかりの笑顔を見ることはかなわず、竹山家は悲しみに包まれました。
竹山武志さん:
「相手への憎しみとか、子どもがいなくなった悲しみは、言葉にならないほどの深いものがありました」