災害をもたらす大雨の要因の一つ「線状降水帯」はこれまで、大分県内でも発生したことがあります。気象庁はこの線状降水帯への備えについて、梅雨時期と重なる6月から新たな情報を提供することになり、防災面での充実が図られることになりました。

線状降水帯イメージ図


線状降水帯は、発達した雨雲が列をなし、長い時間にわたり、同じ地域に大雨をもたらす現象で、大きな災害を引き起こしてきましたが、これまで発生の予測は難しいとされてきました。

(斉藤鉄夫国土交通大臣)
「線状降水帯による大雨の可能性を九州北部など、大まかな地域単位で半日前からお伝えいたします」

気象庁は線状降水帯の予測について、6月1日から気象情報として発表し、警戒を呼びかけます。半日前をめどに、例えば「九州北部」など、エリアごとに発生の可能性を伝えます。国は予測精度を上げるため、線状降水帯の要因となる水蒸気を観測する機器の整備を強化。さらに、世界最高の計算能力を持つスーパーコンピューター「富岳」も活用します。


(気象庁・長谷川直之長官)
「線状降水帯の発生する可能性がどれくらいあるか、半日ぐらい前にそのことがわかれば、何とか避難等の対応ができるだろう」

川の護岸整備など、今も復旧工事が行われている由布市の湯平温泉地区も2年前の7月、道路の崩壊や河川の氾濫など、大規模な被害にあい、一家4人が避難途中に亡くなりました。この時も大規模な線状降水帯の発生が確認されています。湯平地区では経験したことのない災害から命を守るため、防災対策に万全を期しています。

護岸工事が続く湯平地区


(旅館経営者)「全室離れです。災害の時にお客が入っていなければ避難できるようにしている」

温泉街では、災害時、高台にある旅館10軒を緊急避難所として活用する協定を2021年由布市と締結。最大で60室・200人を受け入れます。また、7月豪雨の経験をいかして新たな取り組みも始めました。

(奥ゆのひら花灯り・高橋弘喜代表)
「たまたまうちの駐車場だけこの地区で電波が通っていたので、ここで安否の電話をかけていた。また電波が通るなら電話をかけてもられれば」

自治会でも、お互いに声を掛け合う避難体制を図るため、連絡網を作成。班長がそれぞれ住民の安否確認を取り、避難を促すことで、逃げ遅れを防ぐ狙いです。

(湯平自治区・麻生悦博区長)
「7月豪雨の際、連絡網がなく消防団に迷惑かけたので少しでもなくそうと作った。安全な場所にいち早く行ってもらい、命を守る」

住民だけでなく宿泊客の命も預かる温泉街では、自治区や観光協会などが一体となり、早期避難の実現を目指します。

(湯平温泉観光協会・麻生幸次副会長)「線状降水帯の予測が出ることによって早めの避難をする。仲間を失う、人命を失うことは二度としたくないので、それだけは避けたいと心から思う」

国が導入する「線状降水帯」発生の予測。身を守るために新しい情報をどう役立てるのか。大雨のシーズンを前に避難手順の確認など、日ごろから備えを進めることが重要です。