「朝起きられず学校にいけない」思春期の自律神経の乱れで引き起こされる起立性調節障害は不登校の要因ともなっている。大分市の中学2年生・吉岡倖希さん(13)は1年近くほとんど学校に通えない状態が続いている。

「やっぱり習っていないと全然わからないです。気持ちは学校に毎日一日中いたいが、体が追いつけないことが多い」

活発な子だったのに突然異変…午前中の記憶あいまいに

小学生の頃は運動会で応援団長をつとめ、フットサルの練習にも励む活発な子だったと言う。中学1年生のゴールデンウィーク明けから体調に異変を感じるようになり、学校に行けなくなった。

応援団長をつとめた倖希さん


「最初は中学に入って環境が変わったので行きたくないのかなとか、嫌なことがあったのかなと思ったが、あれ?これはちょっと違うのかなって思った」と母親の久美子さんは振り返る。

当時の倖希さんは朝ごはんを食べるのもやっと。午前中の記憶はあいまいだったと言う。倖希さんは頭痛外来を受診後、紹介された病院で「起立性調節障害」と診断された。

誰にでも起こりうる病気

思春期の急激な体の変化による自律神経の乱れから発症する「起立性調節障害」は朝起きられないなど午前中に体調が悪く、午後には回復するのが特徴。中学生の10%に症状があり、重症となるのは1%。決して珍しい病気ではない。

大分こども病院の藤本保理事長は「子どもの体から大人の体に変化する過程で起こるから誰にでも起こりうる。もし起立性調節障害なら薬物療法まで必要な状態かどうかの見極めを検査すべき」と話す。

<治療と日常生活や学校生活で注意すること>
・起立性調節障害に効く薬があり、医師の指示に従って服用
・毎日運動。無理せず15分程度の散歩から始めること
・循環血液量を増やすため、水分や塩分は多めに摂取
・早寝早起きなど生活のリズムを正しくする
・普段から急に立ち上がらないように気をつけ、気持ちが悪ければ早めにしゃがむ
・暑気は避ける。学校の体育見学は日陰か室内で過ごす

適切な治療が行われた場合、軽症例では数か月以内で改善。日常生活に支障のある中等症では1年後の回復率が約50%、2~3年後は70~80%。不登校を伴う重症例では1年後の復学率が30%で、社会復帰に少なくとも2~3年かかると言われる。
(出典:日本小児心身医学会ガイドライン集)