現場「効率と安全の両立を」

ではこのシステムはどんな仕組みなのか。インターホン大手のアイホンが開発した「Pabbit」。配達員が荷物の伝票番号を機器に入力し、『配送中』の状況に限り、オートロックが解除されます。従来のオートロックよりも、『なりすまし』などの犯罪予防効果が高いといいます。

アイホン営業推進部 尾関貴志さん:
「人が判断してオートロックを開けるよりも、伝票番号と配送ステータスを合致させて開く仕組みの方が安全性が高まります」

本田さんはこの日、80個配達したうち1割にあたる8個を持ち帰りました。オートロックの解除が普及すれば効率化が図れる一方、「確実に届けたい」という責任感から複雑な心境です。

本田さん:
「お客さんと対面した方が、『確実に届けた』という安心感があります。確実にお届けするのが私たちの仕事なので、やりがいを持って取り組んでいきたいです」

人手不足などから2030年には、国内の荷物の3割以上が運べなくなるおそれがあると試算される中、現場の努力や技術の進歩だけでなく、利用者が再配達を減らしていく意識を高めていくことも求められています。