夏が過ぎ、秋が深まる頃、海の中にも季節の移ろいを感じさせる光景が広がります。大分市の田ノ浦ビーチ沖で、この時期にみられる命の輝きを取材しました。
田ノ浦ビーチ沖の別府湾は、県内有数のダイビングスポットで、アクセスも良く、県内外から多くのダイバーが訪れます。

この日の水温は25度。季節の変わり目には海水が循環し、海の中は透明な世界が広がります。1年の中でも、比較的海の生物が増えるといわれる時期です。

海に潜るとすぐにカンパチやハマチが目の前を泳ぐ光景が広がり、ゴンズイの群れを見ることもできました。また、海底にあった壺の中を覗くと、藤の花のように垂れ下がる卵を大切に育てるタコの姿が確認できました。

(大分ダイビングサービスSEDNA・堤崇亘代表)「8月よりも9月、10月の方が海がきれいになるので、海遊びに適しています。まだまだ暖かいので、ダイビングに興味がある人は遊びに来てほしいです」
この日は大分大学の学生ダイバーが、ボランティアの一環として海中清掃に取り組みました。海水浴シーズンを終えた海からは、プラスチックや缶など、合計9.2キロ分のごみが集まりました。

(大分大学 ダイビングサークルSRING・財前夢叶部長)「いつもお世話になっている大分の海なので、魚や海に潜る人、釣り人にとっても1番きれいな状態であるようにしたいです」
季節が進み、秋を迎えた田ノ浦の海。今年も変わらない命の営みと、それを未来に繋ごうとする人々の思いがあふれています。