スナック拡張計画に反発…放火を決意

検察は冒頭陳述で、犯行に至る経緯について説明しました。

被告は2022年3月ごろから雑居ビルに入っているフィリピンスナックにほぼ毎日通い、毎月1~2万円の“ツケ”があったものの、生活保護費の給付が入るたびに支払いを済ませていました。

仕事がなかったことを店の女性経営者が心配し、被告はビルに住み込み、内縁の夫が営む林業の草刈り仕事などを手伝いながら生活していたということです。

その後、女性経営者が隣接する空き店舗まで拡張することを計画。しかし、被告は店舗拡大によって、経営者の家族関係や経営の悪化につながると考え、拡張計画を断念させるため、建物に放火することを決意したと動機について指摘しました。

犯行当時、被告はガソリンスタンドで購入したガソリンに、自宅で保管していたエンジンオイルを注入。午後11時ごろ、建物の外壁に液体をまき、ティッシュペーパーにライターで点火し、投げ入れました。通行人が火災に気づき、消火しましたが、建物のドアの一部と玄関マットの一部が焼けました。

一方、弁護側は「被告は心神耗弱の状態にあった」として、減刑を求めています。